泉養稲荷
(鉄道稲荷)
専養寺の境内に祀られている泉養稲荷は、通称、鉄道稲荷とも呼ばれています。
現在、お寺の裏を通る、東海道本線は、明治22年に、国鉄(現在のJR)岐阜~尾張一宮間が開通しました。
お話しは、この東海道本線の工事中にさかのぼります。
それは、今より四代前の住職(現住職の高祖父)の時代。木曽川を渡る鉄橋の工事が完成を目前に迎えた頃、お寺に保線の親方が訪ねてこられました。
親方によると、ここのところ、工事中の鉄橋から毎日一人づつ作業員が落ちる。幸い死者もけが人もいないが、一週間も続いているので、気味が悪く、お祓いをして欲しい。との事。
当時の住職は、お稲荷さまは、木々に囲まれた静寂な場所がお好みなので、工事中の騒音を難儀されているからだと思い、お祓いでは無く、お稲荷さまに鉄道がどのようなものか。鉄道がどれくらい、この国と民の為になるか、また今後、蒸気機関車というものが、毎日のように通ることを丁寧に、長時間に渡って説いたそうです。
すると、お稲荷さまから住職に交換条件が出されました。承諾出来る話しであった為、住職は受け入れたそうです。お稲荷さまから出された条件は、出来ないものは出来ないと断ることも大切で、出来ないことを受け入れると命を取られる。というのは、家訓としてお寺に伝わっています。
その後、明治22年に無事開通しましたが、明治24年10月28日に濃尾大震災が起こりました。近隣の住居は軒並み倒壊し、長良川に架かっていた鉄橋は崩落しましたが、木曽川の鉄橋は無事でした。これはお稲荷さまのご加護であると話しが広まり、国鉄時代の保線の方々から【鉄道稲荷】と呼ばれるようになり、国鉄時代には、毎年法要が行われていました。
また、このお稲荷さまは、何年かに一度、お出かけされることでも知られ、ある日突然、泉養稲荷の境内に穴が開きます。この穴は知らない間に無くなりますが、これを故意に塞ぐと悪いことが起きますので、くれぐれも塞がないようにお願い致します。
令和4年より、鉄道稲荷のご朱印を授与しております。開運行きの切符として授与致しております。
毎月8日の【養日参り】法要後にお書きしています。冥加金:1,000円
鉄道稲荷ご朱印